★『Capricious』★ 2025年(令和 7年) 8月号
●「国際政治 88」
Trump: Japan gave us $550 billion upfront. We get 90%, and they get
10%. It's not a loan or anything. It's a “Signing bonus,” I call it.
これが関税に関するトランプ大統領の認識(トランプ発言を側近から)。関税で合意し
ただけで80兆円をもらったと言っている(bonusだと)。関税交渉で日本人の知ら
ない真実。
日米関税交渉は日本側の屈辱的な条件受け入れで合意した。単純には、自動車の輸出
関税が15%なら、後は何でもアメリカ側の条件をすべて飲みますという、恐るべき
な結果に終わった。詳細は避けるが、アメリカ側の条件の一つに前号でも書いたアラ
スカのLNG開発投資。巨額の投資の割に、何ら成功しないプロジェクト。(日本国内
では、LNGはだぶついていて総輸入量の37%も再販売で輸出している)。
LNG開発投資金額は6兆6千億円!!!!。
世界各国が投資を拒絶しているアラスカのLNG開発。もはや狂気の対米隷属としか
言いようのない関税合意。
The US and Japan are exploring a new offtake agreement for Alaskan
liquefied natural gas (LNG).(ホワイトハウスのホームページより引用)
例によって分析能力がないマスメディアは、「関税交渉は概ね成功」(各紙)。
EUはなぜ米国と合意しないのか。ブラジルの強気の理由は何故か。英国とベトナム
は、なぜ合意したか。各国の経済事情やGDP、主力生産物、通貨の国際比較等を
分析し、そして日本の関税の在り方を考えるべきなのだが、なぜ日本の当局者は
「思考停止」(brain freeze)になるのか。そのヒントの一部が日本の首相選挙なの
だろう、「安保条約」、戦後の教育制度にあるのかも知れない。
参考:7月27日にEUとアメリカは15%の関税で合意した。またEUはアメリカに
6000億ドルの投資を約束したが、あくまで民間企業の自主的な判断で、
EUが政治的に企業に強制はできないと声明を発表。これが日本とEUの違い。
RESTORING AMERICAN INDUSTRIAL POWER:
Japan will invest $550 billion directed by the United States to rebuild and expand core American industries.
This is the single largest foreign investment commitment ever secured by any country and will generate hundreds of thousands of U.S. jobs, expand domestic manufacturing, and secure American prosperity for generations.
At President Trump’s direction, these funds will be targeted toward the revitalization of America’s strategic industrial base, including:
Energy infrastructure and production, including LNG, advanced fuels, and grid modernization;
Semiconductor manufacturing and research, rebuilding U.S. capacity from design to fabrication;
Critical minerals mining, processing, and refining, ensuring access to essential inputs;
Pharmaceutical and medical production, ending U.S. dependence on foreign-made medicines and supplies;
Commercial and defense shipbuilding, including new yards and modernization of existing facilities.(日米の関税に関する合意書の抜粋。ホワイトハウスより引用)
アメリカのニュースメディアは「エプスタインファイル」(The Epstein Files)報道
で連日、大賑わい( very noisy )。このファイルとは、エプスタイン氏が、未成
年者も含む「性的人身売買」の事で、欧米の富裕層が客として名前が載っている。
アメリカの大統領を刑事訴追で解任する事は現実的には出来ない。かといって「弾
劾」(impeachment)も難しい。トランプ氏の名前がリストに載っている事で未成年
の女性の性的な買春行為で、トランプ氏の人間性や大統領としての資質を追求し、辞
任に追い込みたい良識派の「打倒!トランプ」といったところ。
(ボンディ司法長官がリストにトランプ氏の名前がある事を認めている)
●「論文8」(海外の大手通信社、新聞、学術誌、雑誌等に発表した私の小論文
原 題:L'essence de la rationalite est la preservation
des especes.
英語版:The essence of rationality is the preservation of
species.
論文の主題:「新 理性と存在」の続編を執筆中だが5年以内で完成させたい。
(いまだに未完成の論文。今回は、理性の発生論)。
★「Memoir」
もう半世紀近くの昔の話だが、フランスでの学生時代。夏でも室内の冷房のエアコ
ンはなかった。勿論、冬用の暖房器具はあった。自家用車でも同じで、冷房がなく
暖房のみであった。パリの夏の朝晩は思いの外、涼しい。空気が乾燥しているの
で、むしろ寒いといっても良いくらいであった。
昔の友人からのメールで、今やパリは昼も夜も異常気象の高温度。
( C'est une nuit tropicale et il fait tellement chaud que je ne peux pas
dormir la nuit, donc un climatiseur est essentiel. )
(熱帯夜で夜でも暑くて寝られないから、冷房のエアコンは必須よ)
フランスでは、ベランダにエアコンの室外機を置けない。景観保護が優先。
ドイツで教員をしていた時代。自家用車での通勤であった。定期的にガソリンを入
れるのだが、ガソリンスタンドのおじさんに「ガソリン代が高いね。日本よりも高
い」と言った時に「このガソリン代には、我々の年金代も含まれてるのさ」。
最近、ドイツ時代の友人に、ドイツでのガソリン代の話をすると、「いまでもガソ
リン代金に年金費用が含まれている」とメールが来た。
日本でも年金財源の話をよくニュースで聴くが「若者何人で高齢者を支えている」
等の話はやめるべきで、年金財源を幅広く考える必要がある。日本の財源論の底の
浅さにうんざりする。マスメディアでは、なぜ硬直した同じニュースになるのか。
消費税問題でも、日本では財源論に何の問題もなく解決策はある。
一般会計と特別会計制度は、日本だけの異常な会計制度だ。
★『クラシック音楽考』★
前回、クラシック音楽にヒントを得て作曲するポップス歌手の話をしたが、
クラシック音楽にも非常に似た曲がある。
ヘンデルの「サラバンド」とブラームスの「交響曲第3番ヘ長調作品90の
第3楽章」は、聞き流していると混乱するほどに似た曲だ。
知人から演奏会の招待状が来た。いつもながら感謝である。曲目はワーグナーの
「トリスタンとイゾルデ」。ブルックナーの「交響曲第5番」。アマオケながら演奏の
レベルは高い。
プロの演奏家からも招待状が来るのだが、地方公演となると行くことが大変。
岩手県の週末の夕方となると1泊2日。演奏会の後に関係者全員で”飲み会”が
あるので招待状が来るのだが。ふと思えば、音楽家は酒が好きで強いなぁ(笑い)
意外なのである。舞台ではすました顔だが、飲み会になると、この人はバイオリンを
本当に弾いていたのかと思う(笑い)。
特に女性で酒が強い人が増えた気がする。かなりな酒豪でケロッとしている。
私の特技に「演奏家の顔を見たら、担当の楽器が分かる」というのがある。
演奏家の顔にバイオリン、クラリネット、トランペットと書いてある(笑い)
まあ、弦楽器担当か、打楽器か金管楽器か程度なら、ほぼ当たる。
あるプロサッカーの監督は「選手の顔を見たらポジションが分かる」といっていた。
人の顔より、自分の老人の顔に、人生の終末を感じるよ。