★『Capricious』★ 2025年(令和 7年) 10月号
●「国際政治 90 」
There will come a day when Donald Trump is gone, but your
dishonor will remain.
America, your dishonor will remain.
トランプ大統領は、「なぜプーチン大統領に寛容なのか?」、本質的な問題を指摘し
ておこう。
トランプ氏は父親から引き継いだ「不動産事業」をことごとく倒産させてきた。
(合計6回といわれる)。日本でも、これだけの倒産回数となると再起は非常に厳しく
銀行取引は中止になる。
そこで登場したのがトランプの救世主「フェリクス・セイター」(Felix Sater)だ。
モスクワで生まれ、幼少期にアメリカ(ニューヨーク)に家族と移住した。
KGBとCIAの二重スパイといわれる。表向きの職業は証券マンであるが、マフィアと
の交流も有名。
(上記の件は、ロバート・モラー特別検察官が米上院と下院で証言している。2017
年~複数回)
アメリカの一人当たりの名目GDPは、約81,624ドル(2023年)。国土の広さや人口
を考えると、巨大な世界一のマーケットである事が分かる。
共産圏の資産家が投資対象国としてアメリカを選んでも不思議ではない、というか
当然だろう。しかしながら、当時の米国に共産圏の国が投資をする事は困難である。
そこでフェリクス・セイターが登場する。金融的に窮地に陥り、不動産物件を銀行に
差し押さえられ、トランプ事業は「風前の灯」であった。
フェリクス・セイターは、ロシアマネーを「ドイツ銀行」経由で多額の投資をトラン
プに実施した。(ソ連邦の崩壊後、ドイツ銀行はロシア、東欧にビジネスを展開した)
結論としては、今日のトランプの事業は、フェリクス・セイターに助けられ、同時に
豊富な資金を得たトランプは、大統領職に立候補できた。これもフェリクス・セイタ
ーの「戦略」といわれる。さらに、トランプタワーに代表される不動産事業は、実質
的にフェリクス・セイターのグループが管理し、トランプ一族は「名義貸し」の状態
というのが、実態である。
トランプ大統領は、時に奇妙な政策をツイッターに書く。
「EUがロシア産石油を輸入したら、高額な関税を課す」というのが、最近の代表的な
発言。一見して、ロシアに厳しい事を言っているようだが、まったく意味がない。
なぜなら、EUではロシア産石油を輸入していないからだ。
(親ロシアの小国は除外)。
Brussels, 14th Reuters] - The European Commission announced on the 14th that it will unveil detailed plans on 6th May to gradually reduce and ultimately eliminate imports of Russian crude oil and natural gas within the European Union.
The EU has pledged to halt fuel imports from Russia by 2027 in response to Russia's invasion of Ukraine in 2022. However, the roadmap detailing specific measures has seen its scheduled March announcement postponed until May.
Multiple EU officials told Reuters that uncertainty surrounding tariffs imposed by President Trump was one factor behind the delay. They noted that energy trade could potentially be included in future EU-US trade negotiations.
The European Commission has so far not indicated any measures to promote the reduction of energy imports from Russia. Experts believe the EU may impose tariffs on imports of Russian natural gas.
Since 2022, natural gas imports from Russia via pipelines to the EU have declined significantly, but imports of Russian liquefied natural gas (LNG) increased last year. Even as of last year, Russian sources still accounted for 19% of the EU's total natural gas and LNG imports.
(Reuters 2025年9月8日の記事)
下記の記事は「USA TODAY](8月21日)で、トランプの支持が急速に落ちてい
る事を書いている。
Opinion: Trump is wildly unpopular and losing ground fast.
トランプとプーチンの会談だが、EU首脳は「ならず者(scoundrel)の二人の話に
信用は全くない」というのが、共通の概念。勿論、ならず者ではあっても権力者なの
で、表面的には、話を合わせているが、来年秋の中間選挙までの辛抱といっている。
●「論文8」(海外の大手通信社、新聞、学術誌、雑誌等に発表した私の小論文
原 題:L'essence de la rationalite est la preservation
des especes.
英語版:The essence of rationality is the preservation of
species.
論文の主題:「新 理性と存在」の続編を執筆中だが5年以内で完成させたい。
(いまだに未完成の論文。今回は、理性の発生論)。
★「Memoir」
もう半世紀近くの昔の話だが、フランスでの学生時代。夏でも室内の冷房のエアコ
ンはなかった。勿論、冬用の暖房器具はあった。自家用車でも同じで、冷房がなく
暖房のみであった。パリの夏の朝晩は思いの外、涼しい。空気が乾燥しているの
で、むしろ寒いといっても良いくらいであった。
昔の友人からのメールで、今やパリは昼も夜も異常気象の高温度。
( C'est une nuit tropicale et il fait tellement chaud que je ne peux pas
dormir la nuit, donc un climatiseur est essentiel. )
(熱帯夜で夜でも暑くて寝られないから、冷房のエアコンは必須よ)
フランスでは、ベランダにエアコンの室外機を置けない。景観保護が優先。
ドイツで教員をしていた時代。自家用車での通勤であった。定期的にガソリンを入
れるのだが、ガソリンスタンドのおじさんに「ガソリン代が高いね。日本よりも高
い」と言った時に「このガソリン代には、我々の年金代も含まれてるのさ」。
最近、ドイツ時代の友人に、ドイツでのガソリン代の話をすると、「いまでもガソ
リン代金に年金費用が含まれている」とメールが来た。
日本でも年金財源の話をよくニュースで聴くが「若者何人で高齢者を支えている」
等の話はやめるべきで、年金財源を幅広く考える必要がある。日本の財源論の底の
浅さにうんざりする。マスメディアでは、なぜ硬直した同じニュースになるのか。
消費税問題でも、日本では財源論に何の問題もなく解決策はある。
一般会計と特別会計制度は、日本だけの異常な会計制度だ。
★『クラシック音楽考』★
自分で作曲をしていると、無意識のうちに低音から高音に鍵盤に指がいってしまう。
しかしながらショパンの「Nocturn in B flat miner Op 9 .1」(ホームページに
YouTubeで上げてます)。この曲は、いきなり高音部から下がってくる。
まあ、クラシック音楽には当たり前の事だが、何といってもメロディの美しさは
ショパンである。
学生時代、「ある人」とお茶をしている時に、突然、「ショパンは好き?」といわれ
返答に困ったときがある。勿論、私もショパンが好きで、クラシック曲は全般的に
好きな曲がたくさんあったので、「そうですね」みたいな”間抜け”な答えになっ
た。「その人」には、ピアノを習っていた事や、朝食の時に、母親がクラシックの
曲を常に流しっぱなしにしていることなどは、話していなかった。まあ、誰にも言っ
ていなかったのだが、(ある家庭の事情で)。
ドイツで教員をしていた時代、下宿していた時があった。その時の「おかみさん」も
朝食の時には、クラシック音楽を、毎朝、流してくれた。おかみさんのご主人は戦争
で亡くなり、下宿(朝食付き)で生計を立てていた。
「その人」は、音楽的な趣味が、私と合わないと思ったかも知れない。
ショパンの曲のように、感傷的な想い出がある。ふと思うのだが、高齢になると
ショパンの曲が”沁みてくる”ワルシャワで生まれフランス・パリにて39歳で亡く
なる。思えば「あの人もジョルジュ・サンドみたいな人」だったかもしれない。