★『Capricious』★ 2025年(令和 7年)   6月号   7月号

 

  ●「国際政治 87」

 

   1、イーロン・マスク氏が新しい政党「アメリカ党」を設立予定。トランプ大

     統領と危険な騒動になりそうな重大な問題。日本では知られていないが、トラン

     プ大統領は、同じ共和党の議員にも「恫喝、恐喝」を、ある組織を使って行う危

     険な人物。

     その意味では、プーチンや習近平と変わらない。

     イーロン・マスク氏の”側近”からの情報では、「トランプでは、アメリカが壊

     れてしまう」と嘆いているとの事。

     (新党設立は、7月5日に正式に決定)。

 

   2、関税交渉で、日本政府の作戦は、「遅延作戦」。アメリカの中間選挙(来秋の11

     月)での結果を見て、民主党の議会での多数派復活を期待しての事。意図的に

     関税交渉での締結を引き延ばしている。(日本の自動車メーカーも了承してい

     る)。とてもアメリカ側の提示は飲める状況にはない。

 

   3、6月24日からオランダで開かれたNATO(北大西洋条約機構)に石破首相が

     欠席。表向きの理由は、トランプ大統領が欠席するとの誤情報が理由だが、

     ある政府の首脳は「本当は、英語が出来ない首相が歓談の場で孤立する姿を、写

     真に撮られたくないから」という。その背景は、G7会議が先月(6月)にカナ

     ダで開かれたが、首脳が会場に向かって歩く時でも、一人ポツンと歩く石破首相

     の写真が欧米のニュースで揶揄されていた。

 

 

   前号でトランプ大統領へ厳しい批判を書いたら、知人で「(米国)国家安全保障問題担当」

  からメールが来て、機密解除された「資料」が届いたので紹介する。結論的には、トラ

 ンプは”そんなに「ムチャクチャ」(incoherent)ではありません。我々官僚が支えてい

 ますという。

 

 (海外の知人や友人は、自動翻訳機で私のブログを読んでいます。ただ、日本語には翻訳

 しにくい単語も有り、私の方で英語の注釈をつけています。)

 

  「U.S. Strategic Framework for the Indo-Pacific」 

  (インドー太平洋のための米国の戦略的な枠組み)

 

 これが機密解除された文書で、英語の文章をドラッグ&ドロップすれば読めます。 

 内容を簡潔にすると、中国の「封じ込め政策」(containment policy)の為に、

 QUAD(日本、アメリカ、オーストラリア、インド)と自由主義国のアジア諸国と協力

 し、アメリカの優位性を維持しようという事になる。

 

 中国の「台湾(武力)侵攻」がニュースに取り上げられているが、実質的には政治経済や

 文化面で台湾に侵攻しているのが現実でミサイル等の武力による台湾侵攻はないと考る。

 最大の理由は、SWIFT(国際銀行間通信協会)。中国とロシアの決定的な相違なのだが、

 中国は石油資源や穀物などを海外輸入に頼っている。当然に主にUSドルの決済。

 欧米諸国は「もし中国が武力で台湾に侵攻したならばSWIFTを止める」と、秘かに合意

 している。その事は中国も理解していて、武力による侵攻ではなく「ソフト侵攻」となっ

 ている。SWIFT停止した場合、中国経済は崩壊する。恐るべき効果がある。

 ロシアですら一部の銀行が停止になっているが、ウクライナ問題で、欧米が次のロシア制

 裁はSWIFT停止銀行の拡大といわれる。それでも強気のプーチンだが国内の反政府勢力(私兵軍隊)が常に暗殺を企てている事情もある。

 中国のEU外交をみると、単純な貿易というよりもEUに気を使っている事が分かる。

 私の知人(米国国務省)は怒るだろうが、上記の理由で日本の台湾政策を米国製の

 a piece of junk な兵器を購入しないで、再構築した方が良いと思う。

 

 

    

     

     ●「論文8」(海外の大手通信社、新聞、学術誌、雑誌等に発表した私の小論文

     原 題:L'essence de la rationalite est la preservation

          des  especes.

  英語版:The essence of rationality is the preservation of

           species.

  論文の主題:「新 理性と存在」の続編を執筆中だが5年以内で完成させたい。

  (いまだに未完成の論文。今回は、理性の発生論)。

 

  

 

    ★「Memoir」 

 

    もう半世紀近くの昔の話だが、フランスでの学生時代。夏でも室内の冷房のエアコ

    ンはなかった。勿論、冬用の暖房器具はあった。自家用車でも同じで、冷房がなく

    暖房のみであった。パリの夏の朝晩は思いの外、涼しい。空気が乾燥しているの

    で、むしろ寒いといっても良いくらいであった。

    昔の友人からのメールで、今やパリは「熱帯夜で夜でも暑くて寝られないから、冷

    房のエアコンは必須よ」と悲鳴に近いメールであった。

 

    ドイツで教員をしていた時代。自家用車での通勤であった。定期的にガソリンを入

    れるのだが、ガソリンスタンドのおじさんに「ガソリン代が高いね。日本よりも高

    い」と言った時に「このガソリン代には、我々の年金代も含まれてるのさ」。

    最近、ドイツ時代の友人に、ドイツでのガソリン代の話をすると、「いまでもガソ

    リン代金に年金費用が含まれている」とメールが来た。

 

    日本でも年金財源の話をよくニュースで聴くが「若者何人で高齢者を支えている」

    等の話はやめるべきで、年金財源を幅広く考える必要がある。日本の財源論の底の

    浅さにうんざりする。マスメディアでは、なぜ硬直した同じニュースになるのか。

    消費税問題でも、日本では財源論に何の問題もなく解決策はある。

    一般会計と特別会計制度は、日本だけの異常な会計制度だ。

 

      

 

   

   ★『クラシック音楽考』★

 

         前回、クラシック音楽にヒントを得て作曲するポップス歌手の話をしたが、

   クラシック音楽にも非常に似た曲がある。

   ヘンデルの「サラバンド」とブラームスの「交響曲第3番ヘ長調作品90の

   第3楽章」は、聞き流していると混乱するほどに似た曲だ。

   

   知人から演奏会の招待状が来た。いつもながら感謝である。曲目はワーグナーの

   「トリスタンとイゾルデ」。ブルックナーの「交響曲第5番」。アマオケながら演奏の

   レベルは高い。

   プロの演奏家からも招待状が来るのだが、地方公演となると行くことが大変。

   岩手県の週末の夕方となると1泊2日。演奏会の後に関係者全員で”飲み会”が

   あるので招待状が来るのだが。ふと思えば、音楽家は酒が好きで強いなぁ(笑い)

   意外なのである。舞台ではすました顔だが、飲み会になると、この人はバイオリンを

   本当に弾いていたのかと思う(笑い)。

   特に女性で酒が強い人が増えた気がする。かなりな酒豪でケロッとしている。

   私の特技に「演奏家の顔を見たら、担当の楽器が分かる」というのがある。

   演奏家の顔にバイオリン、クラリネット、トランペットと書いてある(笑い)

   まあ、弦楽器担当か、打楽器か金管楽器か程度なら、ほぼ当たる。

   あるプロサッカーの監督は「選手の顔を見たらポジションが分かる」といっていた。

   人の顔より、自分の老人の顔に、人生の終末を感じるよ。